クリプトコリネ キリアータ　(学名　Cryptocoryne ciliata var. ciliata )

クリプトコリネ・キリアータvarキリアータは1832年にオーストリア人の植物学者、スコット・ヘインリッヒ・ウィルヘルムにより記載登録されたクリプトコリネで、当時記載に利用されたのは東インドで採集されたクリプトコリネ・キリアータである。
キリアータと言う名前は本種の花が繊毛虫(Ciliophora)に似ているのが種小名の由来であると考えられる。

クリプトコリネ・キリアータvarキリアータは東南アジア島嶼部全域にわたり生育が確認されており、西はインドから東はパプアニューギニアまで広い範囲に生育している。生育場所は河川の中流域、下流、汽水域で時には低地林の小川や海岸の木陰などにも生育していることがあり、クリプトコリネの中でも珍しく塩分に適応している。良く大河の川岸などに大きな群落を形成している。
本種は様々なクリプトコリネと混生することもあり、クリプトコリネ・グリフィティー、クリプトコリネ・ブローサ、クリプトコリネ・リングア、クリプトコリネ・フェルギネア、クリプトコリネ・ヴェルステーギーなどと混成している。

本種は艇水植物(emergent plant)で、他のクリプトコリネのように水中で勢い良く展開している例はあまり見ない。
生育地による変異がとても多く、葉の形状や花の形状、色など地域変異がある。

花期になると仏炎苞の筒部を長くのばし、独特でとてもカラフルな花を咲かせる。花は大型で比較的長く咲き、高い確率で結実する。