クリプトコリネ ロンギカウダ (学名 Cryptocoryne longicauda )
クリプトコリネ・ロンギカウダは1879年にイタリア人の植物学者ベッカリ・オドアードとドイツ人の生物地理学者エングラー、ハインリッヒ・グスタフ・アドルフにより記載されたとても歴史のある植物である。当時記載に利用されたのはサラワク産のクリプトコリネ・ロンギカウダで、ロンギカウダという名前の由来は「長い尾をもつ」という意のラテン語の形容詞である。
記載者の一人であるエングラーは植物の科と属の分類のシステムが発展するのを助けた分類学者、生物地理学者で1910年にドルーデ、カール・ゲオルグ・オスカーとの共同で「世界の植生(Vegetation der Erde)」を作り始めた。エングラーはベルリン・ダーレムの博物館と植物園の教授を務めている。
クリプトコリネ・ロンギカウダはマレーシアのジョホール州やサラワク州、ブルネイ・ダルサラームやインドネシアのスマトラ島と広い地域の低地林に生育しており、富栄養で溶存酸素量も多い場所からピートスワンプまで様々な条件のもとで生育し、ニッチも幅広い。
条件によっては大型化し、花も仏炎苞の舷部の先(Flag)が非常に長く伸びる性質を持ち、見ごたえのある美しい花を咲かせる。
葉は主脈、側脈、細脈が発達し凹凸型を形成し、独特の模様になる。
生育地による変異は比較的少なく、安定した草体形状と花を持つ。本種は開花期になると長い花柄を作るため花期は雨季後期〜乾季後期と比較的長いのが特徴である。