クリプトコリネ ミニマ (学名 Cryptocoryne minima )
クリプトコリネ・ミニマは1910年1月にリドレイ・ヘンリーニコラスにより記載登録されたクリプトコリネで、ミニマと言う名前の由来は「最小の」という意のラテン語である。
リドレイは英国人の植物学者、地質学者で、1888から1911年までシンガポール植物園の初代科学部長を務め、献身的にマレーシアの植物を世に発表した。その中にクリプトコリネ・ミニマやクリプトコリネ・プルプレアが含まれている。
クリプトコリネ・ミニマはマレーシア西部のぺラック州、セランゴール州やスマトラのレウセル国立公園などの低地林に生育する小型のクリプトコリネである。
本種は泥炭湿地林、原生林はもちろんのこととして二次林や古いプランテーションなどにも生育しており、ニッチも広く比較的適応力のあるクリプトコリネだと言って良いであろう。
基本的に本種の生育している環境は陰性で、水質は弱酸性〜酸性、軟水で比較的流れのある水を好む傾向にある。陸上よりも水中のほうが若干大きく成長するが、基本的に小型種であるため良い環境下であっても草体は大型にはならない。本種の葉は主脈、側脈、細脈が発達し凹凸型を形成し、葉の縁は波打つ傾向にある。
本種の花期は乾季で、水が引くのを見計らいだらだらと花を咲かせる傾向にある。クリプトコリネ・ミニマは比較的古い歴史を持つ植物であるが、草体や花の変異が大きく、形状も不安定なことから混乱を招き、様々な名前を生みだした。