クリプトコリネ シュルツイ (学名 Cryptocoryne schulzei )
クリプトコリネ・シュルツイは1971年にデ・ヴィット・ヘンリック・コーネリス・ディークにより記載登録されたクリプトコリネで、シュルツイと言う名前の由来はシュルツ氏への献名である。
クリプトコリネ・シュルツイはマレーシアのジョホール州を中心に、泥炭湿地林の湧水や小川に生育が確認され、特にGn.Panti(パンティ山)水系に多く見られる。本種は主に泥炭湿地林から湧き出て落ち葉や倒木などをゆっくりと通過し、フミン酸(植物などが微生物による分解を経て形成された最終生成物であるフミン質のうち、酸性の無定形高分子有機物)を含んだ酸性度が強い水に生育し、水質も超軟水である。
本種は陰性のクリプトコリネで、光合成に不利な昼間でも薄暗いジャングルの奥深くの湿地などにも生育するが、条件の良い場所でもあまり草体は大型化しない小型のクリプトコリネである。
生育地による変異は比較的少なく、安定した草体形状と花を持つ。本種が生育している場所は比較的水位の低い浅い場所を好み、花期は雨季後期〜乾季後期と長いスパンを持っているのが特徴であるが、乾季に一斉開花するのを見たことがある。花は小型だがその風貌は気品がありとても美しい。