Cryptocoryne timahensis
Cryptocoryne timahensis クリプトコリネ ティマヘンシス

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クリプトコリネ・ティマヘンシスはシンガポールのブキ・ティマ自然保護区に生育しているクリプトコリネで、ブキ・ティマ山の標高120メートル地点にある湧水に生育している。生育範囲は限定的で、ブキ・ティマ自然保護区内でのみ生育が確認されている。
本種は
クリプトコリネ・コルダータvarコルダータとクリプトコリネ・ヌーリーの自然交配種であるが、クリプトコリネ・コルダータvarコルダータとクリプトコリネ・ヌーリーと共にシンガポールでは確認されていない。しかし近郊のマレーシア・ジョホール州に両種ともに生育が確認されている。

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Discovery planet

Cryptocoryne timahensis Bastm.
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Kingdom (界) Plantae
Division (門) Spermatophyta(Magnoliophyta)
Class (綱) Monocotyledonrae(Liliopsida)
Order (目) Alismatales
Family (科) Araceae(the Arum Family)
Subfamily (亜科) Aroideae
Tribe (連) Cryptocoryneae
Genus (属) Cryptocoryne
Species (種) Cryptocoryne timahensis
Variety(var.) (変種) None

Synonyms: None
Distribution: Malaya (Singapore)
Known natural hybrids: None
Hybrids Parentage: Cryptocoryne cordata Griff var. cordata x Cryptocoryne nurii Furtado
Typical habitats: Welling of water

Cryptocoryne timahensis クリプトコリネ ティマヘンシス
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クリプトコリネ・ティマヘンシスの花

乾季に多くが花芽を上げるが雨季でも花は咲いており、花期は通年。ロゼット葉rosette leafの生長点growth pointより花芽flower budを上げる。
クリプトコリネ・ティマヘンシスの花の舷部limbは涙形で、旗flagの先端は長く伸びるものもある。舷部limbの色は白色、クリーム色、黄緑などで中心に向かうに従い赤色や茶色のグラデーションになっている。表面はいぼ状突起tuberculateがあり、 喉の部分から筒部tubeに至ってはクリプトコリネ・シュルツイのように赤紫のグラデーションが入る。仏炎苞spatheの筒部tubeは通常あまり長く伸びないが、水中株が花芽を上げた場合水面まで筒部tubeを伸ばすこともある。筒部には薄く筋が浮き出る。
仏炎苞spatheは基本的に水面から近い場所で開花し、芳香はあまりない。

蕾budは小斧状で、触ると硬くしっかりとしている。

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クリプトコリネ・ティマヘンシスの葉

クリプトコリネ・ティマヘンシスの水上葉emergent leafは卵型ovateで先端は鋭尖形acuminate。縁は多少波状undulateになる。主脈main veinは褐色になるが盛り上がることはなく、葉はのっぺりとしている。 側脈lateral vein、細脈veinletは褐色や緑色になり、斑模様のように見える。
葉は通常グリーン〜茶褐色、黒褐色で、葉の裏は緑色や褐色。また、水上葉emergent leaf、水中葉submerged leafは外見的に大きな差は認められないが、水中のほうが草体が大きく成長する。
通常葉身laminaは6p〜10p前後で、葉柄petioleも短いが、水深のある場所に生えている株は葉柄が20pになるものもある。小さな托葉を持つ。

稀に主脈、側脈が白く変色する斑入りrosanervig個体が出る事があり、とても珍しい現象である。

クリプトコリネ・ティマヘンシスの根系root system

クリプトコリネ・ティマヘンシスは腐葉土質や砂地などの比較的やわらかい土壌に根を下ろす。本種の根系root systemは貧弱で、塊根root tuberより不定根adventitious rootを出すが、そんなに根系root systemは発達せず、引っ張ると容易く抜ける。匐枝(ストロン)stolonを多く出し、ラミートを親株の周りに沢山作ることによって、株同士を固定する。

塊根root tuberからは匐枝(ストロン)stolonを出し、先端の芽はロゼットや葉束をつけて、節間ちぎれると独立した植物となる。世代を重ねて古くなったストロンは独立する。

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クリプトコリネ・ティマヘンシスは湧水の限られた場所だけに生育しているが、生育地は水辺にとても大きな群落を形成している。林床一面にクリプトコリネ・ティマヘンシスの群落が覆っている姿はとても見事である。通年花を咲かせており、生育地へ赴くと群落の所々から花芽を上げている。花も嫌味の無い上品な風貌で、印象の良い花を咲かせる。

本種は陰性のクリプトコリネで、薄暗く湿度が高い場所に群落を作る。主として栄養繁殖vegetative reproductionにて繁殖し、匐枝(ストロン)stolonを出しラミートrametを増やしながら群落形成を行う。腐葉土質の柔らかい土壌一面に匐枝(ストロン)stolonを張り巡らせ、速いスピードでどんどんラミートを増やす。

乾季になり水位が下がってクリプトコリネ・ティマヘンシスが陸上へ上がると昆虫の食害を受け、葉が坊主になることがある。

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クリプトコリネ・ティマヘンシスの雌蕊pistilは5〜6個で、柱頭stigmaは楕円形ellipticをしており、頭頂部にはM字に中央にへこみがある。雄蕊stamenは葯antherが集合して形成されており、一つの花の中の雄蕊の数は不特定多数である。花の大きさの割に花糸filamentが長い。